• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

里山林創出と保全を目的とした林床ササ群落の生態的特性に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20580029
研究機関岡山大学

研究代表者

坂本 圭児  岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (90205766)

キーワードケネザサ / 光環境 / 葉の寿命 / 光合成速度 / 光ストレス / 熱散逸色素
研究概要

本研究は,西日本暖温帯の落葉樹二次林で頻繁に出現するケネザサ(Pleioblastus pubescens Nakai)を対象として,異なる光環境条件に対するケネザサの順応メカニズムを稈と葉群の動態,および群落レベルでの生産特性から明らかにし,どのような環境条件でケネザサの群落が持続的な景観要素として望ましいか,あるいは刈り取りなどの管理を必要とするかについて基礎的な情報を提供することを目的とした。
本年度は,稈や葉の動態,個葉の光合成特性,および個葉の光ストレス応答に関する調査研究を実施した。都市近郊二次林の林床で林冠層の構造の違いによって様々な光条件で成育するケネザサ群落を対象とするとともに,同様に異なる光条件を圃場レベルの実験設定で再現し,その実験群落も研究対象とした。その結果,葉のフェノロジーおよび葉の寿命に関しては,明るい光条件ほど葉の寿命が短いが,葉を次々と入れ替えることによって葉群を維持し,暗い条件ほど葉の寿命が長いことを明らかにした。そのような葉の動態と光合成特性の関係をみると,明るい条件ほど成長季節の光合成速度が大きく,短期間で生産量を稼いでいるのに対して,暗い条件ほど成長季節の光合成速度は小さいが,葉の寿命が長いことによって稼いでいることが明らかとなった。明るい条件ほど,冬季には低温のため光エネルギーが過剰となり,光スト,レスを受けていることを明らかにし,その光ストレスに対して,ケネザサは葉の熱散逸色素を増加させることによって,過剰な光エネルギーによる光障害を回避していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 異なる光条件で生育させたヶネザサ(Pleioblastus pubescens Nakai)の稈と葉の諸特性の季節変化.2009

    • 著者名/発表者名
      阿拉坦花, 坂本圭児, 三木直子, 廣部宗, 吉川賢
    • 雑誌名

      日本緑化工学会誌 34

      ページ: 524-533

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 異なる光条件で生育させたヶネザサ(Pleioblastus pubescens Nakai)個葉の光合成特性

    • 著者名/発表者名
      阿拉坦花, 坂本圭児, 三木直子, 廣部宗, 吉川賢
    • 雑誌名

      日本緑化工学会誌 34(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] Eco-physiological characteristics of dwarf bamboo, Pleioblastus pubescens Nakai, in secondary broad-leaved forests of the warm-temperate zone of Japan.2009

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto, K., Mitsui, D., Aladanhua, Yoshikawa, K.
    • 学会等名
      The 4th International Conference on Landscape and Ecological Engineering
    • 発表場所
      Taipei, Taiwan
    • 年月日
      20091122-20091124

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi