研究概要 |
平成19年度に優良F1雑種系統(`女峰'x CHI-24-1)であるN9,N18,N46,N73に`女峰'を戻し交雑し,各々102系統,101系統,105系統,88系統を実生として得た.そこで平成20年度の夏に各系統のランナー子株を用いて,2度の花芽誘導実験を実施した.すなわち,1回目は7月18日から30日間,自然日長と24時間日長条件で,2回目は9月22日から30日間,16時間日長と24時間日長条件で,各系統を栽培し,処理後の花房発生について調査した.その結果,24時間日長条件でのみ花房発生した系統数は,1回目の実験ではN9が2系統,N18が3系統,N46が2系統,N73が0系統だった.一方,2回目の実験では,24時間日長条件でのみ花房発生した系統はN9が6系統,N18が5系統,N46が5系統,N73が7系統だった.以上の結果より,戻し交配すると24時間日長条件での花房の発生する系統数が極端に減少することが明らかになった.また,夏季の高温条件では,花房発生する系統数が秋に比べて少ないことも明らかになった.以上より,24時間日長条件下で花芽分化する系統の育成は,戻し交雑では効率が悪いものと考えられる.一方,CEI-24-1の茎頂培養に適した培地組成の確立のため,基本培地の濃度とGA3濃度,BA濃度について検討した.その結果,インビトロでの株の生長が最もよかった培地はMS0.5単位であった.また,GA3を培地に0.1mg/l添加した場合,他の濃度に比べて最も株の生長がよくなった.さらに,培地にBAを0.1mg/l添加した場合,他の濃度に比べて増殖した株の数が最も多くなった.
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