研究概要 |
本年度は,1)24時間日長条件下でのCHI-24-1の花芽誘導に効果的な光質や光量,2)'女峰'とCHI-24-1の雑種第1代に栽培品種を戻し交雑した第1代の果実品質,3)戻し交雑第2世代の育成,について実施した. 1)24時間日長条件下でのCHI-24-1の花芽誘導に効果的な光質や光量:CHI-24-1の栄養繁殖苗を用いた.24時間日長条件は,16時間を植物育成用蛍光灯(遠赤色光を含む白色蛍光灯)約100μmol/m^2/sの光照射,残りの8時間をピーク波長が異なる15種類のLED光源で光量を0.1から15μmol/m^2/sの6段階とした.その結果,720nmでは,0.5μmol/m^2/s以上の光処理区で花芽分化が100%であり,700nmと735nmでは7.5μmol/m^2/sで100%,420nmでは10μmol/m^2/sで100%となった.この結果から,本反応が光受容体であるフィトクロームを媒介して起こる反応であると考えられた. 2)戻し交雑した第1代の果実品質:栽培品種'アスカルビー','とよのか','女峰',F1雑種CN18,CN46,CN73の3系統,BC1集団から24時間日長処理により花芽分化したもの65系統各1個体を用いて,促成栽培により行った.果実品質は,BC1全体における平均1果実重,果皮硬度および果肉硬度が栽培品種より低く,また花粉親F1系統よりも高くなった.平均酸度は,栽培品種より低く,花粉親F1系統よりも高くなった.糖度は,BC1全体,栽培品種,花粉親F1系統間で差異が認められなかった.この結果から,戻し交雑したことにより,果実品質が向上したことが明らかになった. 3)戻し交雑第2世代の育成:平成22年度の夏季が異常高温となり,また灌水システムの不具合により,多数の育成個体が枯死下した.23年度冬季から春季にかけて交雑と採種を行う.
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