研究概要 |
1. 'アーウィン'成木の一文字主枝・短梢仕立てへの改造 加温温室内に栽植されている'アーウィン'マンゴー13年生成木を、それまでの開心自然形仕立てを平成19年度にあらたに支柱および支線を設置して2本主枝に改造し、結果枝を切り詰めて主枝分岐高約70cmの一文字主枝樹形とした。本年度は前年度より継続して、枝梢成長,側枝(結果母枝)発生程度,摘心や誘引が側枝の成長と花成に及ぼす影響の評価,必要な作業量などについて調査した.その結果、着花量は樹形改造初期にくらべて増加し、主枝、および切り詰めた側枝基部より多数の新梢の萌出をみた。このことより、樹勢が強くなりやすく着花減少が予想された短梢仕立てでも、冬季に十分な低温の与えられる暖地域であれば比較的容易に花数を確保できることが証明された。しかしながら、従来どおりの開心自然形樹と比較すると新梢停止が遅いために充実せず花叢を着生しない枝も多く発生しており、枝の徒長を抑えて花芽の充実をはかることの必要性も明らかとなった。 2. コンテナ栽培による'アーウィン'一文字主枝・短梢仕立て樹の育成 コンテナ栽培により根域制限した'アーウィン'を一文字主枝樹形として仕立ててその生育を調査した。 3. 国内マンゴー生産地における生産実態調査 高知県内のマンゴー生産農家において,加温管理、樹体管理、および果実肥大管理に関する情報を収集した。 4. 開花期の訪花昆虫の収集が容易でない西南暖地での栽培効率化のためにマンゴー不受精果実利用についても合わせて試みてきたが、GA3剤を繰り返し処理することにより、不受精果実を200g程度にまで肥大促進させうることが明らかとなった。しかしながらプロヘキサジオン剤、CPPU剤の添加効果は明確ではなかった。
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