研究課題
本年度は、以下の項目について研究を実施した。その概要は以下の通りである。様々なナシの種(Pyrus spp.)を用いて染色体上のCMA+/DAPI-領域め位置・数に関する種間差異を検討した結果、何れも4か所の端部に存在することを確認することができた。このことから、CMA/DAPIバンドパターンの面からはナシ植物の染色体構成の均一性は高かった。数種のナシ(Pyrus spp.)を用いて、染色体上の185-5.8S-25SrDNAの位置とCMA+/DAPI-バンドとの関係を検討したところ、6か所中4か所の45SrDNAの位置はCMA+/IIAPI-に対応した。CMA+/DAPI-バンドはDNA塩基のGCが多くATが少ない領域であることがわかっているので、185-5.8S-25SrDNAの位置は染色体上のGCに富む場所であることが解明できた。さらに、ナシ染色体上での5SrDNAの位置の決定も行った。5SrDNAは2か所で確認できた。複数の遺伝子を同時に検出できるマルチカラーFISH(蛍光in situハイブリダイゼーション)を実施した結果、18S-5.8S-25SrDNAと5SrDNAはそれぞれ別の染色体上に位置することを確認した。この結果はリンゴの結果と完全には一致しなかったが、非常に類似しており、両者の染色体構成の近似性を示すものと判断できた。また、FISHによってナシに存在するCopia型レトロトランスポゾン遺伝子は、ナシ染色体上で集中して存在するのではなく、各染色体に散在することを可視化することができた。
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Journal of the Japanese Society for Horticultural Science
巻: 81 ページ: 35-40
Tree Genetics & Genomes
巻: 7 ページ: 845-856