研究概要 |
1) 青色花の存在しないシクラメンを用いモリブデン施用による花色の青色化を目ざした.鹿毛真耕園(福岡県)から提供を受けた'KNパープル'鉢苗について,昨年度に栽培期間中一回の施用で一時的な青色化効果示みちれたモンブデン酸アンモニウム500倍溶液を用い,栽培期間中10日毎に追加施用を行っだところ,著しい生育障害が生じた.このことから継続的にモリブデシを施用するためには,より低濃度のモリブデン酸アンモニウム溶液を使用することがよいと考えた.また、'KNパープル'花弁に含まれるモリブデンにより青色化するアントシアニンであるデルフィニジン配糖体は含有量の非常に少ない物質であるが,抑えて環境条件にって発現が不安定になることが見出されることが判明した.このことがらモリブデン施用に向く系統選抜が非常に重要であることが分かった. 2) 水溶液中のモリブデンとアントシアニンの錯体形成については,強酸性の溶液中では青色化が起こらず錯体が形成されていないと考えられた.弱酸性あるいは中性溶液においてはアントシアニンとモリブデンとの共存で安定した青色を発色することが判明した.このことからNMRによる青色錯体の構造解析については,溶液のpH調節が重要であると考えられた.
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