0および1%O_2と空気(無処理)を加湿して、通気しながらピーマン果実を20℃暗所で14日間貯蔵した。低酸素処理区は貯蔵7日で処理を解除して、空気下でさらに無処理と同様に7日間貯蔵した。それら貯蔵中のアルコール発酵代謝の変化を調査した。ピルビン酸脱炭酸酵素の活性は、1%0_2処理では貯蔵7日まで増加し、処理解除後は経時的に減少した。それに対し、アルコール脱水素酵素の活性は、貯蔵7日まで増加し、処理解除後もそのレベルを維持した。0%O_2処理は両酵素とも処理中および処理解除後も活性変化は無処理と同様にあまりなかった。アルコール脱水素酵素タンパクについて電気泳動した結果、1%O_2処理ではバンドが濃く現れたのに対し、0%O_2処理は無処理と同じように1%O_2処理に比べて、バンドの濃さは薄かった。貯蔵7日の低酸素処理解除後は、0および1%O_2処理ともに低酸素処理中と同様の濃さを維持した。これらの傾向は以前行った3日間の低酸素処理と同様であり、低酸素の処理期間は影響しなかった。 ピーマン以外の青果物として、0.5および2%O_2と空気を加湿して通気しながらバナナ緑熟果を20℃暗所で7日日間貯蔵した。その後、短期間低酸素処理を解除し、100ppmエチレン処理を24時間行った後、空気下で20℃暗所にさらに6日日間貯蔵した。低酸素処理期間中では0.5%O_2処理ではアルコール発酵が発達したのに対し、2%O_2処理と空気はあまり変化がなかった。しかし、いずれの処理も果皮色は緑色が維持され、低酸素障害の発生もなかった。低酸素処理解除後の追熟中では呼吸の生成ピークが0.5および2%O_2処理では空気に比べて出現が遅くなったが、生成量には差がなかった。また、香気成分量やアルコールアシルトランスフェラーゼ活性は0.5および2%O_2処理では空気に比べて少なく、果皮色の黄化の進行も空気下に比べて遅延された。バナナ緑熟果への0.5および2%O_2の短期間低酸素処理はその後の追熟の進展を遅延することがわかった。
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