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2008 年度 実績報告書

転写産物調節性タンパク質の遺伝子操作による昆虫の分子育種

研究課題

研究課題/領域番号 20580051
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

小谷 英治  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (10273541)

キーワードRNA結合タンパク質 / カイコ / タンパク質生産 / ウイルス抵抗性
研究概要

カイコで見つかった哺乳類TIA-1のホモローグであるBmTRN-1は、RNA認識領域(RRM)を持つRNA結合タンパク質であり、その遺伝子発現抑制による解析から、転写産物の制御に関わることが考えられる。本年度は、このタンパク質の細胞内での役割やドメインの重要性を明らかにするため、カイコ培養細胞を用いて以下の検討を行った。まず、ゲノム遺伝子の配列解析から、BmTRN-1の44.1kDaと42.5kDaの二つのアイソフォームは、選択的スプライシングにより単一の遺伝子から作られることを明らかにした。タグであるGFPと融合させたBmTRN-1タンパク質を過剰に発現させた細胞において、レポータータンパク質の生産量が低いレベルに抑えられたことから、本タンパク質は転写産物量の低下を引き起こすことが確認された。細胞内分布を調べたところ、BmTRN-1タンパク質は核と細胞質の双方に分布していた。さらに、RRM2サブドメインは核外輸送に関与することが明らかとなった。またバキュロウイルスの一種が感染した場合にBmTRN-1タンパク質は、核内に強く分布した。このとき、RRM3サブドメインにバキュロウイルス感染時の核内分布に関与する領域があることが示された。本タンパク質の過剰発現によりこのウイルスの外殻タンパク質の生産量が低下したことから、BmTRN-1タンパク質はウイルス感染により核に蓄積して、ウイルス転写産物の核における識別や制御にも関与していることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Molecular Characterization of a TIA-1-like RNA-binding protein in cells derived from the fall armyworm, Spodoptera frugiperda(Lepidoptera : Noctuidae)2009

    • 著者名/発表者名
      Muto, S., Tanabe, T., Matsumoto, E., Mori, H., Kotani, E
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology and Biochemistry 73

      ページ: 648-656

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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