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2009 年度 実績報告書

土壌生態系における藻類-細菌共存系の相互作用と機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20580060
研究機関東京大学

研究代表者

大塚 重人  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (10313074)

キーワード土壌微生物 / 共存系 / 相互作用 / 藻類 / 細菌 / 培養 / 生育
研究概要

緑藻Chlorella vulsaris NIES-227株の純粋培養に土壌を接種して共培養し、集積された細菌を分離した。その細菌の純粋培養株をChlorellaの生育に与える影響を試験した。その結果、Chlorellaの試験管内での生存期間を長くすることができる細菌が2株分離された。さらに、Chlorellaの試験管内での生存期間を短くする細菌も2株認められた。Chlorellaの生存期間を長くする株のうち1株は、本研究代表者により、Chlorellaの非無菌培養株から過去にも複数回検出された細菌と同属であり、この属の細菌には共通してChlorellaの生育を支える効果がある可能性が示唆された。
複数の淡水産緑藻の純粋培養株を取り寄せ、Vitamin B_<12>要求性を試験した。その結果、緑藻Monomastix minuta NIES-255株がVitamin B_<12>要求性であることがわかった。この株を用い、Vitamin B_<12>を除いた無機培地中で、上述のChlorellaを用いた実験と同様の実験を行った。すると、MonomastixにVitamin B_<12>を供給する細菌が2株認められた。そのうち1株は、Vitamin B_<12>を除いた無機培地中で、MonomastixにVitamin B_<12>を供給して生存を支えるが、一定以上にMonomastixが増えると、Monomastixに対して致死的な作用を示し、Monomastixが急激に死滅することが示された。MonomastixにVitamin B_<12>を供給できるもう一方の株にはそのような効果はなく、Monomastixはコントロール(Vitamin B_<12>を含む無機培地中での培養)と同様の生育を示した。
これらの結果から、緑藻類と土壌由来の細菌の関係は生育阻害や生育促進といった単純な構図では描けないことが示された。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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