メタン酸化をめぐる微生物食物連鎖の機能解析

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20580061
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 植物栄養学・土壌学
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 村瀬 潤 名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (30285241)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 水田土壌 / メタン酸化細菌 / 原生動物 / 微生物食物連鎖 / Stable Isotope Probing

研究概要

湛水土壌の酸化還元境界層はメタン酸化が活発な環境であり、メタンの大気放出を制御する重要なフィルターとして働いている。安定同位体プロービング法による解析により、メタン酸化にともない増殖したメタン酸化細菌は速やかに原生動物に捕食されること、また本研究で新たに発見された新属・新種のアメーバをはじめとする原生動物の捕食作用が、メタン酸化細菌群集の構造を決定する重要な生物因子であることが明らかとなった。

研究成果

• [雑誌論文] Strain-specific incorporation of methanotrophic biomass into eukaryotic grazers in a rice field soil revealed by PLFA-SIP. (2011)
  • 著者名/発表者名: Murase J., Hordijk C., Tayasu I., Bodelier P.L.E.
  • 雑誌名: FEMS Microbiol.Ecol. 75 ページ: 284-290
  • 査読あり
• [雑誌論文] Isolation of a new heterolobosean amoeba from a rice field soil : Vrihiamoeba italica gen. (2010)
  • 著者名/発表者名: Murase J., Kawasaki M., De Jonckheere J.F.
  • 雑誌名: nov., sp.nov.Eur.J.Protistol. 46 ページ: 164-170
  • 査読あり
• [雑誌論文] Eukaryotic communities associated with the decomposition of rice straw compost in a Japanese rice paddy field estimated by DGGE analysis. (2008)
  • 著者名/発表者名: Hatamoto, M., Tanahashi, T, Murase J., Matsuya, K., Hayashi, M., Kimura, M., Asakawa, S.
  • 雑誌名: Biol.Fert.Soils 44 ページ: 527-532
  • 査読あり
• [雑誌論文] Selective grazing of methanotrophs by protozoa in a rice field soil. (2008)
  • 著者名/発表者名: Murase, J., Frenzel, P.
  • 雑誌名: FEMS Microbiol.Ecol. 65 ページ: 408-414
  • 査読あり
• [学会発表] 微生物食物連鎖の分子生物学的解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 村瀬潤
  • 学会等名: メタン酸化を例として第57回日本生態学会
  • 発表場所: 招待
  • 年月日: 20100315-20100320
• [学会発表] Impact of protozoan grazing on the community of methanotrophic bacteria in a wetland rice field soil. (2009)
  • 著者名/発表者名: Murase,J, Frenzel,P.
  • 学会等名: The 10th International symposium on bacterial genetics and ecology (BAGECO-10)
  • 発表場所: Uppsala, Sweden
  • 年月日: 20090615-20090619
• [学会発表] 水田土壌生態系の機能における細菌-原生生物系の役割 (2008)
  • 著者名/発表者名: 村瀬潤
  • 学会等名: 日本土壌肥料学会2008年度愛知大会シンポジウム
  • 発表場所: 名古屋(招待)
  • 年月日: 2008-09-13
• [図書] 12.窒素サイクルメ(シリーズ現代の生態学11巻)(タンサイクルに果たす微生物の役割) (2011)
  • 著者名/発表者名: 村瀬潤
  • 出版者: 共立出版
• [図書] 7.集水域の中の水田(身近な水の環境科学-源流から干潟まで-)(日本陸水学会東海支部会編) (2010)
  • 著者名/発表者名: 村瀬潤
  • 総ページ数: 92-102
  • 出版者: 朝倉書店
• [図書] 7.水田の土壌環境と微生物相(身近な自然の保全生態学)(根本正之編著) (2010)
  • 著者名/発表者名: 村瀬潤・浅川晋
  • 総ページ数: 149-173
  • 出版者: 培風館
• [図書] 1-I3.4アメーバ、鞭毛虫(土壌の原生生物・線虫群集-その土壌生態系での役割-)(日本土壌肥料学会編) (2009)
  • 著者名/発表者名: 村瀬潤
  • 総ページ数: 23-30
  • 出版者: 博友社
• [図書] 2-III.水田土壌生態系の機能における細菌-原生生物系の役割(土壌の原生生物・線虫群集-その土壌生態系での役割-)(日本土壌肥料学会編) (2009)
  • 著者名/発表者名: 村瀬潤
  • 総ページ数: 94-114
  • 出版者: 博友社
• [備考] ホームページ等