研究概要 |
高等植物ガンマグルタミルトランスフェラーゼ(GGT)は、ガンマグルタミル基の加水分解、または転位活性により種々のガンマ-グルタミル化合物の生合成および分解代謝系における鍵酵素であると考えられている。しかも、グルタチオン(GSH)の異化、GSH-生体異物抱合体(GSX)の分解、システインのリサイクル系においても初発酵素として極めて重要な働きをしていると示唆されているが、その詳細、特にGGTのin vivoで担っている役割は明らかではない。シロイヌナズナには、ヘテロダイマー型GGTをコードする3種類の遺伝子(AtGGT1、AtGGT2、AtGGT3)が存在する。 平成21年度に引き続き、本研究では: 1.atggt1、atggt2、atggt3T-DNAまたはトランスポゾンタグ挿入変異株、GSH合成に関与すするGSH1遺伝子のpad2.1突然変異株、atggt1-atggt3,atggt2-atggt3、atggt1-pad2.1、atggt2-pad2.1二重変異株を用いて、莢におけるGSH代謝(細胞内GSHとGSH代謝物の蓄積定量)解析より、AtGGT1とAtGG72はGSH異化に関与すると考えられる。 2. 細胞内におけるAtGGTタンパク質の局在解析を行うために、AtGGT1、AtGGT2,AtGGT3プロモーターの制御下に発現されるAtGGT1、AtGGT2,AtGGT3とGFPの融合遺伝子を含むバイナリーベクターをそれぞれAgrobacterium法によりシロイヌナズナに導入した。
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