研究概要 |
火山灰を母材とする黒ボク土下層土には硫酸イオンが多量に吸着されている。硫酸イオンの起源と移動性を明らかにするために,吸着態硫酸イオン含量の土壌断面内鉛直分布の測定,異なる深さから採取した硫酸イオンの硫黄安定同位体比と脱離・溶出特性の測定,および吸着態硫酸イオンの同位体交換反応特性の解析を行った。農耕地土壌に集積した硫酸イオンは施肥成分由来で未耕地のそれとは異なる起源を有すること,施肥成分由来の硫酸イオンは比較的脱離・移動しやすく,硝酸イオンなどの他種の陰イオンを脱離させて下方移動させる働きを持つことが明らかになった。
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