研究課題
平成21年度は以前からの継続として、枯草菌のtmRNAの生理機能に関する研究のひとつ(カタボライト抑制への関与)を完成させ、論文として発表した。他のテーマについては解析続行中である。1.tmRNAによるトランス翻訳の枯草菌カタボライト抑制への関与:トランス翻訳を特異的に受ける標的タンパクのひとつにカタボライト抑制を受けるTreP(トレハロース・パーミアーゼ)があることを以前報告した。今回、TrePのtmRNAによるタグ付加が、カタボライト抑制のリプレッサーであるCcpAに依存して起きることを明かにし、その際のmRNA切断位置とタグ付加位置を決定した。その結果、CcpAがtreP遺伝子のcre配列に結合して転写阻害を起こして生じた不完全mRNAを標的としてトランス翻訳が起きることが判明した。枯草菌において、CcpAによるカタボライト抑制により生じた不完全ペプチドの分解にこの反応が一般的に使用されていることも明らかにした2.tmRNA依存性の温度感受性株を単離し、それがセリル-tRNA合成酵素の変異に基づくものであることを明らかにしたが、なぜそれが温度感受性になるかは不明である。本年度は感受性復帰株を多数単離して、その原因を解析しつつある。
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