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2008 年度 実績報告書

連鎖球菌におけるヘパリン分解・輸送系の構造・機能相関とその感染症への関与

研究課題

研究課題/領域番号 20580078
研究機関京都大学

研究代表者

橋本 渉  京都大学, 農学研究科, 准教授 (30273519)

キーワード連鎖球菌 / グリコサミノグリカン / 多糖リアーゼ / 不飽和グルクロニルヒドロラーゼ / ファスフォトランスフェラーゼ系 / アミノ糖 / αケトグルコン酸 / DNAマイクロアレイ
研究概要

Streptococcusに属する化膿性溶血型連鎖球菌は、多糖リアーゼと不飽和グルクロニルヒドロラーゼ(UGL)により宿主細胞外マトリックス(グリコサミノグリカン:GAG)を単糖(アミノ糖とαケト酸)にまで分解し、宿主細胞へ侵入・感染することを示唆してきた。本研究では、連鎖球菌における宿主細胞への侵入・感染機構を明らかにするため、連鎖球菌におけるUGLの発現をDNAマイクロアレイにより解析した。また、UGL遺伝子近傍のゲノム構造から、多糖リアーゼとUGLにより生じる反応産物の代謝経路を考察した。
連鎖球菌(Streptococcus agalactiae)をGAGの一種であるヒアルロン酸存在および非存在下で培養し、各培養菌体における転写レベルをDNAマイクロアレイにより決定した。UGL遺伝子は、ヒアルロン酸存在下で有意に誘導発現していた(2.5倍)。また、UGL遺伝子の下流に位置するアミノ糖輸送に関わるフォスフォタランスフェラーゼ系(PTS)ホモログの発現もヒアルロン酸により促進されていた。UGL遺伝子の上流にもヒアルロン酸により誘導発現する遺伝子クラスターの存在が見出された。このクラスターには、αケトグルコン酸(KDG)の代謝に関わる3種類の酵素(還元酵素、キナーゼ、アルドラーゼ)のホモログ遺伝子がコードされている。UGL遺伝子の近傍におけるPTS系やKDG代謝系遺伝子がGAGにより転写誘導を受けるクラスターを構成することから、連鎖球菌は多糖リアーゼとUGLによる反応産物をPTS系で細胞内に取り込み、かつKDG代謝系で資化することが考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Structural determinants responsible for substrate recognition and mode of action in family 11 polysaccharide lyases2009

    • 著者名/発表者名
      Akihito Ochiai
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 284

      ページ: 10181-10189

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Paenibacillus sp. strain HCl xylanases responsible for degradation of rice bran hemicellulose2008

    • 著者名/発表者名
      Karen Mine Harada
    • 雑誌名

      Microbiological Research 163

      ページ: 293-298

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Crystal structure of YihS in complex with D-mannose : Structural annotation of Escherichia coli and Salmonella enterica yihS-encoded proteins to an aldose-ketose isomerase2008

    • 著者名/発表者名
      Takafumi Itoh
    • 雑誌名

      Journal of Molecular Biology 377

      ページ: 1443-1459

    • 査読あり
  • [学会発表] Bacillus sp. 由来α-L-ラムノシダーゼはβ-L-マンノシダーゼ活性を示す2009

    • 著者名/発表者名
      河原愛子
    • 学会等名
      日本農芸化学会年次大会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] サルモネラ菌由来マンノースイソメラーゼYihSの機能と立体構造2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤貴文
    • 学会等名
      日本農芸化学会関西支部例会(第454回講演会)
    • 発表場所
      京都府立大学
    • 年月日
      2008-05-31
  • [図書] 土壌・地下水汚染の浄化・修復技術(スーパー細菌の創成とダイオキシン分解の高効率化技術)2008

    • 著者名/発表者名
      橋本渉
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      ブツカーズ(エヌ・ティー・エス(NTS))

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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