研究課題/領域番号 |
20580089
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
高松 宏治 摂南大学, 薬学部, 講師 (70272151)
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研究分担者 |
桑名 利津子 摂南大学, 薬学部, 助教 (50330361)
今村 大輔 摂南大学, 薬学部, 助教 (70454650)
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キーワード | 枯草菌 / 胞子 / 遺伝子組換えワクチン / 蛍光タンパク質 / タンパク質局在 |
研究概要 |
遺伝子組換えにより枯草菌の胞子表面に任意の抗原タンパク質を発現させ、胞子ワクチンとして用いるためには、抗原タンパク質を胞子表層タンパク質と融合させる必要がある。これまでに抗原タンパク質の支持体として用いられた胞子タンパク質はわずかであり、それらが最適な支持体であることを示す根拠がなかった。昨年度はGFPとRFPを用いた蛍光顕微鏡観察により、胞子タンパク質の相対的な局在部位が確認できることを明らかにした。しかし、RFP融合タンパク質産生株の構築が困難であったため、今年度はGFP株のみを用いて局在部位を知るための方法を考案した(Imamura et al.2010 J.Bateriol. 192 : p518-524)。代表的なコートタンパク質について解析し、それらのうち、CgeAとCotZが胞子最外層に存在することを明らかにした。これらのコートタンパク質は、これまで抗原タンパク質提示に用いられていたCotBやCotCよりも外側に位置する可能性が高いため、抗原タンパク質を効果的に提示する支持体になる可能性がある。本研究の成果は組換えワクチン生産の目的以外にも、遺伝子組換えにより各種機能タンパク質を胞子表面に提示させ、いわゆるバイオリアクターとして利用するためにも重要である。また、基礎研究としても、これまでほとんど明らかにされていなかったコートタンパク質の位置関係を知るための方法論を打ち立てたことは、枯草菌などの胞子の構造を明らかにする上で画期的な成果であると言える。
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