研究課題/領域番号 |
20580089
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
高松 宏治 摂南大学, 薬学部, 准教授 (70272151)
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研究分担者 |
桑名 利津子 摂南大学, 薬学部, 助教 (50330361)
今村 大輔 摂南大学, 薬学部, 助教 (70454650)
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キーワード | 枯草菌 / 胞子 / 遺伝子組換えワクチン / 蛍光タンパク質 / タンパク質局在 |
研究概要 |
枯草菌胞子を用いて組換えワクチンを作成するためには、目的抗原タンパク質を効率よく胞子表面に提示させる必要がある。我々は、従来抗原支持体として用いられてきたCotAやCOtCよりも優れた支持体を開発するため、昨年度までに胞子外層タンパク質の局在部位を確認する方法を確立した。今年度は、胞子最外層タンパク質を探索する方法として、GFP融合タンパク質と抗GFP抗体を用いた免疫染色法の有効性を検討した。11種類の代表的なスポアコートスポアタンパク質のGFP融合体のうち、CgeA-GFP、CotZ-GFPを発現させた胞子のみが抗GFP抗体と反応することを確認した。 一方、従来胞子最外層に露出していると考えられていたCotAやCotCのGFP融合体を発現させた胞子は抗GFP抗体で染色されなかった。これらの結果から、枯草菌胞子のスポアコートはCgeAやCotZなどからなる構造体で覆われており、それらよりも内側に存在するタンパク質は外部に露出していない可能性が示唆された。更に、GFPを用いた解析からCotVやCotYも枯草菌胞子最外層に存在することが示唆された。遺伝子破壊株を用いた実験により、CgeA-GFPの局在化にはCotX、CotY、CotZが必要なことが分かった。一方、COtY-GFPの局在化はCotZに依存し、CotXに依存していなかった。 本研究により、枯草菌胞子表面に任意のタンパク質を提示させる支持体として、CgeA、CotV、CotY、CotZが適していることがわかった。
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