研究概要 |
新規細胞骨格調節因子であるGDE3のグリセロホスホジエステルホスホジエステラーゼ領域のアミノ酸配列を指標として,ヒトゲノム,およびマウスゲノムデータベースに対して新たなGDE相同性遺伝子の探索を行い,研究代表者が同定した3種類の動物由来新規GDE遺伝子(GDE3,GDE5,GDE7)について,発現組織における分子レベルでの生理機能の解析,また病態発症におけるGDE遺伝子の発現解析,および機能解析を行った. 1)GDE5骨格筋特異的過剰発現マウスの病理学的解析を行った結果,筋線維面積の減少が認められ,DNAマイクロアレイ法を用いて網羅的な遺伝子解析を行った結果,ストレス応答性遺伝子や筋神経接合部を構成する遺伝子の著しい発現上昇が認められた.また一年齢までの長期飼育を行った結果,遅筋型への形質転換がRNAレベルでの発現によって確認された. 2)GDE3のレトロウイルスを用いた発現系を確立し,GDE3の培養骨芽細胞株への安定形質転換による骨形成への影響を解析した.骨形成作用は認められなかったが,NIH3T3細胞への形質導入によって細胞球状化が認められ,現在,同細胞を用いた遺伝子発現について解析中である. 3)GDE7の発現解析を行った.その結果、胃上部,および食道部において極めて強い発現を示すことが明らかになった.現在,GDE7の上皮細胞における発現分布を蛍光観察により解析を行い,核周縁部におけるオルガネラに存在することが明らかになった.
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