研究概要 |
本研究は、「ミミズ」及び「ミミズに共生する微生物(腸内細菌)」の、それぞれが生産する「分解酵素反応」を共役的に組み合わせることで、自然界のエコシステムを模倣したバイオマスの分解のための「酵素複合反応システム」を構築し、廃棄食癌や植物性廃棄物などのバイオマス中の「難分解性タンパク質やセルロース」などを効率的に分解すると同時に、「アミノ酸やオリゴ糖」などの有用物質を回収することにより、「有機系バイオマス」の循環的分解と共に、有用資源の再利用を可能にする「酵素バイオリアリター技術」を開発し「資源循環型社会」の構築に貢献することを主目的としている。そこで今年度は、以下の検討を実施した。 1、「ミミズと共生する微生物のスクリーニングと単離」:自然界の分解者である「ミミズ」の腸管(糞を含む)から共生微生物」の単離を行った。単離した「共生細菌」の資化能力を精査し「有用微生物ライブラリー」を作成した。これらの中から培養の簡便さ、増殖速度の遠さなどの観点から、最も利絹しやすい微生物(放線菌)を選択した。また、それらの共生細菌の分類・同定を行った。 2.「各種有用酵素の単離・精製、並びに、それらの酵素化学的特性と機能の解明」:スクリーニングにより単離した「共生微生物」及び「ミミズ」のそれぞれより、タンパク質分解酵素、脂肪分解酵素,酸化還元酵素、多糠類分解酵素などを単離・精製し、安定性や基質特異性などの酵素化学的特性を精査した上で、得られた成果を「有機系バイオマスの循環分解と有用資源の回収」に応用利用するための基礎的検討を行った。
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