研究課題/領域番号 |
20580105
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
大西 素子 中部大学, 応用生物学部, 教授 (00312653)
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研究分担者 |
禹 済泰 中部大学, 応用生物学部, 教授 (20272693)
永井 和夫 中部大学, 応用生物学部, 教授 (00011974)
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キーワード | シグナル伝達 / 発生・分化 / 酵素 / 生理活性 / 細胞・組織 |
研究概要 |
本研究ではプロテインホスファターゼ2C(PP2C)βおよびεによる破骨細胞分化の制御機構を明らかにし、PP2Cを特異的に活性化する化合物による破骨細胞分化の抑制を目指し、以下の研究を行った。 1.破骨細胞分化に対するPP2C活性促進化合物の作用解析 申請者らはサワラ抽出液中からPP2C活性を促進する化合物としてpisiferdiol類を単離、同定した(特願2007-053142号)。pisiferadiolのPP2Cに対する特異性を検討した結果、PP1、PP2AおよびPP2Bは活性化せず、PP2Cを特異的にすること、さらにPP2Cのアイソフォームの中でも癌遺伝子として知られるPP2Cδは活性化せず、PP2Cαおよびβに特異的であることが明らかにした。現在、これらのPP2C活性化物質の破骨細胞分化に対する作用について解析している。 2.PP2C〓遺伝子の転写調節領域におけるRANKL応答配列の同定 これまで申請者らは、RANKLによりPP2CβのmRNAの発現が一過性に誘導されることを報告してきた。そこでsRANKLによるPP2Cβ発現誘導機構を解析するため、ルシフェラーゼアッセイによるPP2Cβ遺伝子のプロモーター活性の解析を試みたが、sRANKLの添加の有無による活性の差は検出できなかった。次にRANKLによって誘導されるシグナル伝達系がPP2Cβの発現によって制御されているかどうかを確かめるため、siRNAによりPP2Cβの発現を抑制し、sRANKL下流のシグナル伝達系に対する影響を解析した。sRANKLにより誘導されるp38のリン酸化が、PP2Cβの発現抑制により上昇することから、PP2Cβの発現はsRANKLによるシグナル伝達系の活性化を抑制すると考えられた。
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