研究課題/領域番号 |
20580105
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
大西 素子 中部大学, 応用生物学部, 教授 (00312653)
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研究分担者 |
禹 済泰 中部大学, 応用生物学部, 教授 (20272693)
永井 和夫 中部大学, 応用生物学部, 教授 (00011974)
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キーワード | プロティンホスファターゼ2C / 破骨細胞 / シグナル伝達 / 破骨細胞分化因子 / RANKL |
研究概要 |
本研究では、プロテインホスファターゼ2C(PP2C)βおよびεによる破骨細胞分化の制御機構を明らかにし、PP2C特異的活性化化合物による破骨細胞分化の抑制を目指して、以下の研究を行った。 1.破骨細胞分化に対するPP2C活性促進化合物の作用解析 破骨細胞分化因子(RANKL)により破骨細胞に分化することが知られているRAW264細胞を、PP2Cの特異的活性化化合物であるpisiferdiol類または非特異的活性化化合物であるリノレン酸存在下で培養し、破骨細胞分化に対する影響を検討した。その結果、pisiferdiol、pisiferic acidまたはリノレン酸のいずれによっても破骨細胞分化は阻害されたが、その際、リノレン酸は細胞生存率をも抑制したものの、pisiferdiolおよびpisiferic acidは細胞生存率を抑制しなかった。またpisiferdiolおよびpisiferic acidは、マウス大腿骨から採取した骨髄細胞に対しても、細胞生存率には影響せず、破骨細胞分化を抑制することを明らかにした。これらの化合物の破骨細胞分化における作用機構を解析するため、MAPキナーゼであるp38、JNKおよびERKに対するpisiferdiolの影響を検討したところ、pisiferdiolはERKに対しては特に影響しなかったが、p38およびJNKのRANKLによる活性化を抑制することがわかった。 2.RAW264細胞の破骨細胞分化におけるPP2Cβの作用解析 PP2Cβ siRNAをRAW264細胞に導入し、破骨細胞分化に対する影響を検討した。その結果、破骨細胞分化は有意に促進されることが明らかとなった。このことからPP2Cβは破骨細胞分化を抑制制御している可能性が確認された。 3.PP2Cε遺伝子欠損マウスのコンジェニック化 PP2Cε遺伝子欠損マウスは継代を繰り返し、N10世代までコンジェニック化を終了した。
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