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2009 年度 実績報告書

線虫が分泌する延命誘導物質に関する化学生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20580112
研究機関鳥取大学

研究代表者

河野 強  鳥取大学, 農学部, 教授 (50270567)

キーワード寿命 / 休眠 / インスリン / 線虫 / 発現制御
研究概要

本研究では寿命を制御するインスリン様シグナルの「入力機構」の全容解明に迫ることを目的として,寿命を制御するインスリン様分子の延命誘導物質による発現制御を解析する。平成21年度では,成虫寿命を制御する新たなインスリン様分子を同定し,遺伝子破壊の影響,遺伝子発現パターンの解析等を行った。
RNA干渉(遺伝子機能抑制)を用い,延命誘導物による延命を抑制する分子としてINS-12を同定した。その際,持続的にRNA干渉を実施できる摂食法を用いた。本ペプチドは既に同定済みのINS-18と同様にType-γに属し,哺乳動物のインスリン族ペプチドと同様のジスルフィド結合様式を有する。TMP/UV法を用いて作出した遺伝子破壊線虫を用いた解析により,INS-12はアンタゴニストとして機能しINS-18と共に延命に寄与する分子であることを明らかにした。さらに,INS-12はINS-18と同様に幼虫休眠にも寄与することを明らかにした。極めて奇妙なことに,INS-12ならびにINS-18は幼虫休眠において相乗効果を示すが,寿命延長においては相乗効果を示さなかった。また,リアルタイムPCR法を用いた解析から,休眠誘導物質によりins-12の転写が促進されることを明らかにした。さらに,ins-12はインスリン様シグナルの下流に位置する転写因子DAF-16による転写制御を受けることが判明した。以上のことから,ins-12はins-18と同様にフィードバック機構により転写が制御されると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Physiological function of INS-12, one of the Type-g insulin-like peptides, in C. elegans2010

    • 著者名/発表者名
      Matsunaga, Y., Ito, H., Kawano, T.
    • 雑誌名

      Peptide Science

      ページ: 459-462

    • 査読あり
  • [学会発表] Expression mechanism of INS-18, one of the insulin-like peptides, in C.elegans2009

    • 著者名/発表者名
      Yohei Matsunaga, Keiko Gengyo-Ando, Shohei Mitani, Tsuyosi Kawano
    • 学会等名
      17th International C.elegans Meeting
    • 発表場所
      University of California, Los Angeles, USA
    • 年月日
      2009-06-27
  • [産業財産権] ネコブセンチュウpos-1遺伝子、及びその遺伝子発現制御によるネコブセンチュウ防除方法2009

    • 発明者名
      河野強
    • 権利者名
      鳥取大学
    • 産業財産権番号
      特願2009-236075
    • 出願年月日
      2009-10-13

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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