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2009 年度 実績報告書

微生物酵素触媒と有機合成を相補的に活用する有用物質生産

研究課題

研究課題/領域番号 20580114
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

須貝 威  慶應義塾大学, 薬学部, 教授 (60171120)

キーワード微生物還元 / 位置選択的加水分解
研究概要

枯草菌エポキシドヒドロラーゼは、ラセミ体1-ベンジルオキシメチル-1-メチルオキシランを基質として、鏡像選択的に加水分解する酵素である。有用物質合成への応用を指向し、広汎な基質を設計して、反応性および鏡像選択性を検討した。具体的には、上記化合物の1-位メチル基を異なった位置に移動したもの、削除したもの、メチル基をヒドロキシメチル基、メトキシカルボニル基、ホルミル基などに変換した物質を合成、基質とした上で、酵素反応を検討した。まず、fast isomer(反応がより速い鏡像異性体)では、付け根のメチル基を欠き立体障害を減らすと、より酵素に対する親和性が上がると推定したにもかかわらず、かえって反応性が低くなった。この反応は酵素内で、アスパラギン酸由来のカルボキシラートイオンがエポキシド末端に求核攻撃するところから反応が始まると考えられている。第三級エポキシドのメチル基の立体障害が消失した基質では、活性中心内で回転の自由度が大きく、この回転によりfast isomerである(S)-体が、反応点が遠ざかるため反応性低下が低下、一方slow isomerである(R)-体への求核攻撃は容易になり、上記2つの要因があわさって結果的に選択性が低下したと結論した。
第三級エポキシドの構造を残したままで、メチル基を冒頭に述べたような極性官能基に変換した基質でも、やはり反応速度の低下がみられた。しかし、ビニル基やアルキニル基では良好な選択性をもって反応が進行、得られた化合物は再結晶により純粋な鏡像体を得ることができた。トリス(ヒドロキシメチル)メタノールを非対称に保護したキラルシントンの前駆体として有用である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A Short-step Chemo-enzymatic Synthesis of a Precursor for L-Nucleo sides from D-Lyxose2009

    • 著者名/発表者名
      K.Kitsuda, J.Calveras, Y.Nagai, T.Higashi, T.Sugai
    • 雑誌名

      Journal of Molecular Catalysis, B : Enzymatic 59

      ページ: 197-200

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Enzyme-catalyzed enantiomeric resolution of 3,8-dioxatricyclo[3.2.1.02,4]octane-6-carboxylic esters and the application to the synthesis of 3-epishikimic acid2009

    • 著者名/発表者名
      M.Hamada, Y.Inami, Y.Nagai, T.Higashi, M.Shoji, S.Ogawa, K.Umezawa, T.Sugai
    • 雑誌名

      Tetrahedron : Asymmetry 20

      ページ: 2105-2111

    • 査読あり
  • [学会発表] 微生物酵素を用いた不斉中心導入に基づくスタチン類の合成研究2009

    • 著者名/発表者名
      坂本真希, 濱田学, 東利則, 庄司満, 須貝威
    • 学会等名
      第13回生体触媒化学シンポジウム
    • 発表場所
      香川県(香川大学)
    • 年月日
      2009-12-03
  • [学会発表] 枯草菌エポキシヒドロラーゼの基質特異性解明について2009

    • 著者名/発表者名
      清水賢一, 坂本真希, 濱田学, 東利則, 庄司満, 須貝威
    • 学会等名
      第13回生体触媒化学シンポジウム
    • 発表場所
      香川県(香川大学)
    • 年月日
      2009-12-03

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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