研究概要 |
本研究テーマは,研究成果の統合,及び再構築により更なる発展が期待できることから,研究計画最終年度前年度応募により新たな研究テーマとして応募したところ,基盤研究(C)(一般)(学術研究助成基金助成金)に新規採択された。科学研究費補助金の一部交付取消に伴い,平成23年4月1日~4月28日までの研究実績概要を以下に記載する。 昨年度までにフルオラス縮合試薬として,ミディアムフルオラス向山縮合剤(和光純薬コード:No.037-20913)を開発し,目的の縮合生成物と試薬由来副生成物を簡便に分離できる縮合反応システムを達成した。平成23年4月1日~4月28日までの期間でペプチド結合形成反応を中心に本縮合反応系のscope&limitationを精査した。その結果,本試薬を用いる縮合反応はアミノ酸を含む様々な基質に適用することができ,アミド化反応,およびエステル化反応の何れにも幅広く使用できることが確認できた。また,反応後に副生する縮合試薬由来の副生成物は,オキシ塩化リンとトリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムで処理することにより再びミディアムフルオラス向山縮合剤に再生できることも明らかにした。さらにペプチド結合形成反応における不斉中心のエピメリ化の影響について調べた結果,反応系内に添加する塩基の構造ならびにその塩基量制御によりエピメリ化を抑制できることも明らかにした。
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