研究概要 |
本年度目的とするエクオールを部分構造にもつhaptenを調製し、カルボジイミド法を用いて、キャリアータンパクであるKLHと結合させた(equol-KLH)。このequol-KLHをアジュバンドと混合し、マウス腹腔内投与により免疫を行ない、血清を調製した。この血清とequol-KLHと同様にカルボジイミドにより作製したBSAと結合させたものとの交差性をELISAにより検討した結果抗体価の上昇が確認された。そこで最終免疫後、ポリエチレングリコールを介した定法に従ってequol-KLH免疫マウスから摘出した脾臓細胞とミエローマ細胞(P3U1)とを融合させ、ハイブリドーマ細胞を調製する。 このような抗体作製を行うと共に、得られる抗体の特異性解析のためdaidzeinからequolに至る変換過程において推測されているdihydrodaidzein, tetrahydrodaidzein、あるいはdaidzeinからのもう一つの代謝産物とされる0-desmethylangolensinについて、有機化学的反応により得た。 そこで上記ハイブリドーマ細胞の培養上清中に産生されるequol抗体を用いて、daidzein, equolはもとより上記反応により得られたイソフラボノイドを含め、競争ELISAを行い、抗体の選別を行い、equol分子に基質特異的な抗体を産生するハイブリドーマ細胞を得た。さらに大豆イソフラボノイド以外のポリフェノール類との交差性についても確認したが、今回得られたモノクローナル抗体はカテキン類などとの交差性が見られなかったことから、目的とするequolに非常に高い特異性を有し、本研究課題である、尿中equol測定に、有効なものであることが示された。
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