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2009 年度 実績報告書

大腸発がんにおけるアディポサイトカインの役割と予防食品因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20580129
研究機関京都大学

研究代表者

村上 明  京都大学, 農学研究科, 助教 (10271412)

キーワード大腸がん / アディポサイトカイン / 肥満 / 脂肪細胞 / 食品因子 / インスリン / レプチン / 炎症性発がん
研究概要

大腸をはじめとする多くの組織における発がんリスクの上昇が肥満と関連しており、肥満モデルマウスを用いた研究によっていくつかの肥満関連因子の関与が示唆されている。しかしながら、非肥満状態の大腸発がん過程に寄与する肥満関連因子を解析した例はこれまでにない。そこで本研究では、化学発がん剤処理時に変動する肥満関連因子の探索を行うことを目的とした。まず、野生型ICRマウスを用いた大腸化学発がんモデルにおける血中アディポサイトカイン濃度の推移と、その変動メカニズムについて検討した。発がんイニシエーターであるazoxymethane (AOM)および発がんプロモーターであるdextran sulfate sodium(DSS)を投与することで、20週という短期間で大腸腺がんを形成させた。実験開始20週後の血中レプチン濃度を測定したところ、AOMおよびDSS処理群では無処理群に比べ約3倍に上昇していた。一方、その他のアディポサイトカインであるTNF-α、IL-6およびアディポネクチンに有意な変化は認められなかった。レプチンは、主に白色脂肪組織で産生されることが知られていることから、内臓脂肪に注目したところ、腸間膜脂肪および精巣上体周囲脂肪量の増加が観察された。特に顕著な増加が見られた精巣上体周囲脂肪ではレプチンmRNAおよびタンパクの発現が上昇していた。さらに、レプチン産生の主要な制御機構の1つであるインスリンシグナル経路の活性化および血中インスリンとIGF-1濃度の上昇が認められた。以上のことから、本モデルにおける血中レプチン濃度の上昇は、内臓脂肪重量の増加および同組織におけるインスリンシグナル経路の活性化に起因しており、大腸がんの発生に寄与していると推察される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Dietary flavonoids suppress azoxymethane-induced colinic preneoplastic lesions in male C57BL/KsJ-db/db mice2010

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto S, Yasui Y, Ohigashi H, Tanaka T, Murakami A
    • 雑誌名

      Chemico-Biological Interactions 183(2)

      ページ: 276-283

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Increased visceral fat mass and insulin signaling in colitis-related colon carcinogenesis model mice2010

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto S, Tanaka T, Murakami A
    • 雑誌名

      Chemico-Biological Interactions 183(2)

      ページ: 271-275

    • 査読あり
  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      A.Murakami, H.Ohigashi
    • 雑誌名

      Nutrigenmics and Proteomics in Health and Disease(wiley-Blackwell)

      ページ: 412(311-324)

  • [学会発表] 食品因子の機能性と安全性:諸刃の剣が語ること2009

    • 著者名/発表者名
      村上明
    • 学会等名
      第38回 日本環境変異原学会
    • 発表場所
      清水テルサ(静岡市東部勤労者福祉センター):静岡県
    • 年月日
      2009-11-27
  • [備考]

    • URL

      http://foodscience.rakurakuhp.net/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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