研究課題
研究代表者は微粉砕コンニャクグルコマンナン(PKGM)の摂食がアトピー性皮膚炎モデルマウス(NC/Ngaマウス)、およびアレルギー性鼻炎モデルマウスに対して著明な予防効果を示すことを実証するとともに、その多彩な抗炎症作用ならびに免疫抑制作用の詳細を明らかにしてきた。本年度はPKGMを基調としたアレルギー予防食品設計への展開を図るに当たり、その粒子経が抗アレルギー作用に及ぼす影響を調査した。研究代表者が従来の試験にて用いてきたPKGMパウダー(平均粒子経77μm)に加えて、更に粒径の微細な2系統のPKGMパウダー(平均粒子経30μmおよび17μm)を新たに試作し、各標品の摂食がNC/Ngaマウスのアトピー性皮膚炎病態進行と高IgE産生に及ぼす影響を比較評価した。その結果、2種類の新規試作品のいずれも従来標品と同程度の皮膚炎病態と掻痒行動に対する予防効果、ならびに高IgE血症に対する抑制効果を示すことが明らかとなった。これらの結果から、PKGMを含有するアレルギー予防食品を設計する上では研究代表者が当初より報告してきた粒子経(75-100μm)がその機能性発揮に充分であること、また、PKGMの更なる微細化は必要でないことが判明した。続いて研究代表者はPKGMを含有する機能性食品の試作を試みた。食品形態としてサプリメントを標榜した錠剤の作製を検討したところ、ゼラチン(崩壊剤)およびマルチトール(賦形剤)を用いてPKGM含有率75%の錠剤を作製することに成功した。更に本試作品の安全性をマウスに対する急性経口毒性試験により確認した。
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