AMPキナーゼ(AMPK)は肥満・2型糖尿病の予防、治療のための最も理想的な標的鍵分子であることから、本研究では、理想的な分子標的、AMPKの活性化作用に関わる食品因子の検討と作用機構解明を行い、AMPKを介したメタボリックシンドローム予防を実現するための科学的基盤の確立を目的とした。 本年度は昨年度の結果を踏まえて、引き続きマウス筋芽細胞C2C12細胞株を用いてこれまでに絞り込んだAMPK活性化食品因子についてさらに検討を進めた。種々の検討を重ねた結果、食品因子Aを選定した。この化合物についてAMPKを介した糖・脂質代謝改善効果の検討を行った結果、細胞への糖の取り込みの上昇、AMPKの下流因子であり、脂肪合成に関与するアセチルCoAカルボキシラーゼのリン酸化(Ser79)を促進することを明らかにした。 AMPK活性化メカニズムについては、AMPKはエネルギーセンサーであり、細胞内ATPの低下に反応する。そこで細胞内AMP/ATP比を定量した。しかしながらこのAMPK活性化には細胞内AMP/ATP比は関係していなかった。
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