研究実施計画に則し、森林路面や隣接する斜面からの水流出量の観測および解析を進めた。林道区間の上下端は既存の排水溝によって区切り、各区間は長さは20m程度とし、勾配は約10%から40%まで様々な区間を観測対象とした。林道の測方斜面からの水流出においては林道の切り土面の高さや岩盤の露出の有無が重要であることから、岩盤露出の有無によっても観測対象区間を選定した。降雨量、先行降雨量と路面からの流出量および林道側方斜面からの流出量についての観測値の解析を進めた。 また、振動ノズル型散水試験器を購入し、東京農工大フィールドサイエンスセンターの農場においてキャリブレーションを行った。降雨強度や降雨量の調節、試験プロットにおける降雨のばらつきを把握するとともに、フィールにおける観測手順の整理を行った。農場におけるデータを用いて、森林林道での、路面の浸透能の計測を行った。これらのデータをから林道路面における水流出特性の解析を進めることができた。 流域スケールの水流出モデル化の準備として、分布型流出モデルに必要となる流域地形の要素分割として、従来のグリッド(正方形要素)による分割ではなく、等高線による地形要素の分割の手法によるTOPOTUBEを作成した。
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