今年度は、樹木の根重にパイプモデルが適用できるか、4本の試料木を岐阜大学演習林で掘りとって、検証を行った。試料木の内容は、ウダイカンバ (DBH31.6cm) ・ミズキ (DBH24.2cm) ・ミズナラ (DBH32.4cm) ・ホオノキ (DBH26.4cm) である。現地でブルドーザを使い、根を掘り上げ、手作業ですべての根を採取した。これらをダンプで作業場に運び、根の直径級別に選別して、乾燥重量を求めた。 2000年より私の研究室でためた合計14本の試料木とともに、DBH-WRの関係を求めたところ、パイプモデルがこれらの根系に適用できることがわかった。また、径級別の根の本数とサイズの関係からも、このことが傍証できた。 根の相対成長関係として、合計18本の試料木から、WR=0.0649ρDBH^2.36が、共通相対成長式として求められた (r^2=0.974、ただしρは根株の材比重) 。このことから、本研究により、根を掘らないでも根の重さが推定できる相対成長式が作れることを確認した。 これらの成果を、日本森林学会 (2009.3.27、於京都大学) にて公表した。来年度は、広葉樹の大径木 (DBH50cmクラス) の試料木を追加する必要があることがわかった。これらを加えると、どこでも、どんな木にも使える、根重の相対成長関係式が完成する予定である。
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