研究概要 |
適正な受け口を作成する器具について,立木に取り付けた台の上でチェーンソーを動かし,作業を行う器具の試作品を作成し,大学生に伐倒作業を行わせ,器具の有効性を検証した。その結果,ほぼ適正な受口および追口が作成が可能,チェーンソー使用時間の短縮,作業者の生理的負担の軽減などの効果が認められた。一方,作業時間が長くなる傾向が認められた。そこで,作業時間短縮のための立木への台の取り付け方法の変更,より適正な受口および追口作成のための台を水平にする機構の追加などの改良を加えた。この改良により,ほぼ実用に耐える試作品が完成した。 引き倒すためのロープを取り付ける装置について,樹木を対象に,引き倒すためのロープを地上4〜5mの位置に取り付ける装置の試作品を作成した。この試作品を使用して,大学生に作業を行わせ,装置の有効性を検証したところ,作業時間ならびに取り付け位置など,ほぼ満足できる結果であり,実用化できる試作品が完成した。 間伐材搬出方法について,既存の方法の作業能率が悪いという欠点を解消するため,中間支持具の試作品を作成した。この試作品を使用して,大学生に作業を行わせ,その有効性を検証したところ,作業能率が大幅に向上し,実用化できる試作品が完成した。 以上のことから,適正な受け口を作成する器具,引き倒すためのロープを取り付ける装置,間伐材搬出方法のすべてについて,ほぼ満足できる試作品を完成させることができた。この試作品をもとに,21年度は実用品の作成,実際の作業での使用による検証および改良を行う予定である。
|