研究概要 |
20年度において,適正な受け口を作成する器具,引き倒すためのロープを取り付ける装置,間伐材搬出方法のすべてについて,ほぼ満足できる試作品を完成させた。これを受けて,21年度は,特に間伐材搬出方法に焦点を絞り,森林ボランティア団体などに実際に試作品を貸し出して作業してもらい,安全性,作業能率などを調査し,実用化,普及に向けた問題点の洗い出し,改良を行った。 作業の安全性を重視するのか,作業能率を重視するのかによって選択する間伐材搬出法が異なる。そこで,既存の方法を若干改良した作業能率は低いがより安全な初心者向けのものと,中間支持部を用いた安全性を確保しつつ作業能率を向上させたものの2つの現地実証試験を行った。前者については,ほぼ実用化に耐えるものと確認できた(http://www.yumenomori2.info/2009-05-2^3htm.htm)。一方,後者については,安全性ならびに,ある程度の作業能率は確保できたものの,重量の大きい丸太の搬出が困難であり,搬出する丸太の軽量化が課題であることが明らかとなった。 この結果を受けて,軽量化した丸太を搬出する作業システムとして,巻き枯らしによる間伐材を搬出対象とする作業システムを考案し,作業能率,作業方法を検討した。現地調査の結果,道端から平均25mの搬出において,1人1日あたり1m^3の搬出が可能であることが明らかとなった。 以上のことから,適正な受け口を作成する器具,引き倒すためのロープを取り付ける装置,間伐材搬出方法のすべてについて,実用化,普及に耐える器具,作業システムを完成させることができた。
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