カラマツ長伐期施業とそれに伴い変化する環境要因が、甲虫6科の多様性に与える影響を調査した。甲虫多様性をカラマツ壮齢林と長伐期林の間で、林冠と林床に分けて比較した。また、24の環境要因とそれぞれの甲虫科の種数の関係を解析した。その結果、甲虫多様性は長伐期林で増加する傾向があり、それは、林冠の稙食性の科で特に顕著であった。環境要因では、林冠にまで達する天然侵入木と枯死材が生息する種数に大きな影響を与えていた。長伐期林では、林冠まで達する天然侵入木の種数、本数が増加するのに対し、枯死材は大きな変化がないため、長伐期施業では林冠まで達する天然侵入木の増加が重要な要因であると考えられた。長伐期施業は特に林冠の構造を複雑にし、甲虫多様性を高めることが明らかとなった。
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