島根県美郷町地域において2009年に有害鳥獣捕獲または狩猟で捕獲された野生イノシシの頭部(雄13頭、雌5頭)を採取。耳下腺、顎下腺等の唾液腺を採取した。 顎下腺について、Flathらの改良法による水蒸気蒸溜・ペンタンエーテル抽出を行ったのち、ペンタンエーテル画分サンプルをエバポレータにより濃縮し、昇温ガスクロマトグラフで分析した(HITACHI製263-30 Gascromatograph、ジーエルサイエンス製キャピラリーカラム)。 サンプル投入後約10分で雄個体からのサンプルでは顕著なピークがみられたが、雌では見られなかった個体があった。この差に関して抽出法を変え、追跡調査する予定である。 大阪府柏原市で有害鳥獣捕獲により捕獲された雄1歳仔5頭と雌成獣1頭に対し、顎下腺とベイト(糠、ブナ科堅果)に対する嗜好性を調査した。仔イノシシではベイトに対する嗜好性が高かった。雌成獣は不明瞭ながら顎下腺に興味を示した。今後は野生個体を用いて、市販のフェロモンや唾液腺等への嗜好性を調査する。 柏原市内の山林の林縁部にセンサーカメラを設置し、写真撮影を継続中。
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