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2009 年度 実績報告書

広葉樹の通水組織において季節的に堆積・消失する壁孔閉塞物に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20580171
研究機関北海道大学

研究代表者

佐野 雄三  北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教 (90226043)

キーワード広葉樹 / 壁孔 / 道管 / 走査電子顕微鏡 / 道管相互壁孔 / 水分通導
研究概要

平成21年度は、季節的な壁孔堆積物がどのような植物群で見られるのか(以下、系統発生学的検討)、およびマイクロインジェクションによる透水度の測定の2項目の実験を前年度からの継続としてまずは重点的に研究を進めた。これらに加えて、新たにトネリコ属をモデルとして壁孔閉塞物の季節的な堆積過程について着手した。系統発生学的検討では、前年度の12種に加え、さらに10種について新たにSEM観察を行った。その結果、心材部や傷害による変色材部において通水機能を失った通水組織間壁孔でよく見られる永久的な堆積物は多くの樹種で見られたが、季節的な堆積物はトネリコ属のほかに新たに認められなかった。これまで原始的被子植物からキク群まで広範な植物群を対象としていたが、今後はモクセイ科を重点的に調べる必要がある。マイクロインジェクション法による道管相互間の壁孔壁の透水度の測定では、測定に適した毛管をコンスタントに作製するのが難しく、その後の実験操作においても手技上の困難な問題があり、依然として十分なデータが得られなかった。実験過程の諸段階を改めて見直すとともに、単一組織レベルでの測定とともに、その集合体として小材片レベルの計測も検討したい。新たに着手したトネリコ属をモデルとした季節的な堆積過程の検討では、堆積の開始から完了まで1ヶ月を要すること、孔圏道管と孔圏外道管では堆積のタイミングに半月程度のズレがあることなどの新知見が得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 広葉樹の管状要素間に見られるperforated pit membraneの系統発生学的研究2010

    • 著者名/発表者名
      佐野雄三
    • 学会等名
      第60回 日本木材学会大会
    • 発表場所
      宮崎市, 宮崎観光ホテル
    • 年月日
      2010-03-18
  • [学会発表] The structural variation of intertracheary pit membranes in angiosperm woods2009

    • 著者名/発表者名
      佐野雄三
    • 学会等名
      7th Pacific Regional Wood Anatomy Conference (PRWAC) 2009
    • 発表場所
      Kuala Lumpur, Malaysia
    • 年月日
      2009-08-05

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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