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2009 年度 実績報告書

天然から得た石油分解能を持つ新規な木材腐朽菌を用いた石油汚染土壌浄化法の研究開発

研究課題

研究課題/領域番号 20580178
研究機関愛媛大学

研究代表者

橘 燦郎  愛媛大学, 農学部, 教授 (10112319)

キーワード石油汚染浄化 / 浄化技術 / 木材腐朽菌 / 多環芳香族化合物 / 微生物製剤 / 分解酵素 / 担体
研究概要

天然から選抜した石油分解菌(選抜菌)を用いて、以下の結果を得た。
1. 選抜菌を用いたPAH(ベンゾピレン)汚染土壌(濃度1ppm)の浄化条件を検討した。その結果、栄養源無添加では20%(30日処理)の分解率であったが、栄養源及び界面活性剤を添加することにより分解率は向上した。栄養源(シイタケの里)、界面活性剤(Tween 80)添加により、分解率は各々70%、76%(30日処理)に向上した。
2. 選抜菌を用いてC重油汚染土壌の浄化について検討した。選抜菌のC重油分解能を液体培養で調べた結果、高濃度(15000ppm)でも各々19%、30%分解できることを見出した。そして、選抜菌によるC重油汚染土壌(1000,15000ppm)の浄化を試みた。栄養源無添加では僅かな分解率であった(約15,10%)。浄化条件を検討した結果、木粉添加により分解率が向上することを見出した(60,43%、60日処理)。現在、浄化条件の精査を行っている。また、塩分を含んだ原油汚染土壌の浄化も考慮し、海水でも成育出来るPAH分解菌(糸状菌1種)を新たに選抜した。なお、スラリー状態での処理では菌と重油の接触がうまくいかなくて殆ど分解は出来なかった。
3. 選抜菌を担体(粒状活性炭)に担持させた微生物製剤を調製し、PAH(クリセン)汚染土壌の浄化を試みた。浄化条件を検討した結果、栄養源添加(グルコース)によりPAHが分解(58%,30日処理)できることを見出した。
4. 選抜菌から抽出した粗酵素から固定化酵素製剤の作成について検討した。酵素製剤により、PAH(クリセン)が分解できることを見出した。酵素製剤を用いたPAH(クリセン)汚染土壌の浄化について検討中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Characterization of phenanthrene degradation by strain Polyporus sp. S 1332009

    • 著者名/発表者名
      Tony Hadibarata
    • 雑誌名

      Journal of Environmental Sciences 22

      ページ: 142-149

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Degradation of chrysene by a fungus isolated from nature2009

    • 著者名/発表者名
      Asep Hidayat
    • 雑誌名

      第54回リグニン討論会講演集

      ページ: 26-29

  • [学会発表] Degradation of chrysene under saline condition by Fusarium sp. F0922010

    • 著者名/発表者名
      Asep Hidayat、伊藤和貴、橘燦郎
    • 学会等名
      第60回日本木材学会大会
    • 発表場所
      宮崎観光ホテル
    • 年月日
      20100317-20100319
  • [学会発表] 白色腐朽菌からの微生物製剤による土壌中の Chrysene の分解2010

    • 著者名/発表者名
      村上健太
    • 学会等名
      第60回日本木材学会大会
    • 発表場所
      宮崎観光ホテル
    • 年月日
      20100317-20100319
  • [図書] Interdisciplinary Studies on Environmental Chemistry Vol.22009

    • 著者名/発表者名
      Tony Hadibarata
    • 総ページ数
      341
    • 出版者
      TERAPUB
  • [産業財産権] 石油分解能を有する新規微生物2009

    • 発明者名
      橘燦郎
    • 権利者名
      橘燦郎
    • 産業財産権番号
      特願2009-196424
    • 出願年月日
      2009-08-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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