• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

きのこ(ヒカゲシビレタケ)を活用した神経疾患改善剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20580180
研究機関高崎健康福祉大学

研究代表者

江口 文陽  高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (60337467)

キーワードきのこ / シロシビン / シロシン / ヒカゲシビレタケ / マジック・マッシュルーム / 抗うつ薬 / 担子菌 / 神経系疾患
研究概要

ヒカゲシビレタケ菌糸体の各種生理学的特徴が明らかとなった。また、ヒカゲシビレタケが抗強迫性障害の治療へ有用であることを示し、その作用機序の一端と共に脳内モノアミンの挙動へ与える影響を明らかとした。これらの結果は、催幻覚性きのこの基礎研究および強迫性障害をはじめとした神経系疾患治療の研究へ広く貢献するものと考える。
特に本研究のポイントは、シロシンやシロシビンを効率的に産生するヒカゲシビレタケ菌糸体の培養法と保存法を確立したこと。ヒカゲシビレタケからの抽出物を0.1g-1g/kgの用量で投与することで自発運動量へ大きな影響を与えずに疾患改善作用を評価するマウスのガラス玉覆い隠し行動を有意に抑制し、その効果は医薬品のFluvoxamineと同等以上であったこと。ヒカゲシビレタケの玉覆い隠し行動抑制作用は、5-HT1A、5-HT2A/2C受容体亢進の作用によることを明確にしたこと。ヒカゲシビレタケ抽出物は、投与後脳内モノアミン含有量を一時的に減少させるが、投与12時間後までに回復することを明らかにしたこと。その作用は、催幻覚性きのこによる肉体的、身体的症状の持続時間と類似していることも毒性学や今後の薬剤開発における催幻覚性きのこの利活用のための基盤となるデータを構築したことである。
またヒカゲシビレタケ抽出物は、大脳辺縁系のみならず、脳の多くの部位で5-HIAA含有量を低下させセロトニン代謝回転を抑制したが、各種受容体拮抗剤は、それぞれ脳内の各部位において5-HTの代謝回転阻害を抑制した結果から、ヒカゲーシビレタケ抽出物の玉覆い隠し行動抑制効果の減少は、5-HT代謝回転の低下が一つの要因であり、ヒカゲシビレタケの抗強迫性障害効果へ寄与しているものと多くの試験結果から結論付けた。
これらの成果は、天然物であるヒカゲシビレタケの菌糸体から産生する成分を有効的に抽出し、二次的害作用や薬物依存性の無い疾患改善薬を設計するため応用研究のための基盤に欠かせない成果を導き出しているものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 消費者のきのこに対する意識調査と新規利用法の開発2011

    • 著者名/発表者名
      関根加奈子、鷲見亮、森伸夫、吉本博明、江口文陽
    • 雑誌名

      家政学会誌

      巻: 62 ページ: 3-11

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 健康増進を考慮したきのこの活用法2010

    • 著者名/発表者名
      柿沼亜希子、江口文陽
    • 雑誌名

      家政学会誌

      巻: 61 ページ: 45-46

    • 査読あり
  • [学会発表] スギヒラタケ熱水抽出物中に含まれる健康危害物質の生体への影響2010

    • 著者名/発表者名
      松島良紘、吉本博明、江口文陽
    • 学会等名
      第14回日本きのこ学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2010-09-17

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi