研究課題/領域番号 |
20580182
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
志水 一允 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90366617)
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研究分担者 |
石井 克明 独立行政法人・森林総合研究所, 研究センター長 (80353572)
安齋 寛 日本大学, 短期大学部・生物資源学科, 教授 (70168029)
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キーワード | ユーカリ / キシラン / カブトムシ幼虫 / キシラナーゼ / aldouronic acid / エゾノキヌヤナギ / 組織培養 / カルス培養 |
研究概要 |
ユーカリ材よりキシランを単離し、カブトムシ幼虫の糞より選抜したMicrocella属類縁菌の産出するキシラナーゼで加水分解し、主生成物として、以下の(1)aldopentao-および(2)aldotetrao-uronic acidを単離した。 (1)O-β-D-Xylp-(1→4)-[O-(4-O-Me-α-D-GlcAp)-(1→2)]-O-β-D-Xylp-(1→4)-O-β-D-Xylp-(1→4)-D-Xyl (2)O-(4-O-Me-α-D-GlcAp)-(1→2)-O-β-D-Xylp-(1→4)-O-β-D-Xylp-(1→4)-D-Xyl これらのアルドウロン酸を(1)MS培地に0~25ppm添加してポプラのカルスを培養し、その生長への影響を観察するとともに、(2)LP培地に0~10ppm添加してスギおよびヒノキシュートを培養し、発根への影響を観察した。(1)ではaldopentaouronic acidを5ppm添加したとき、苗条原基の分化率が最も高かった。(2)ではaldotetraouronic acidを1.0~2.0ppm添加したときスギシュートで高い発根率が認められた。 エゾノキヌヤナギの組織培養による再生系の開発では、試みた各種植物ホルモンを組み合わせたすべての培地で芽の伸長が認められ、さらに再生苗の主茎軸を切り取るか、そのまま長期培養することで増殖シュートを得ることができた。しかし、カルス培養では、継代培養すると生育は低下した。安定的なカルス培養とそれからの固体再生系の開発がエゾキヌヤナギの育種研究には必要であり、今後の課題となった。
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