• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

カレイ類の形態異常出現機構の解明と防除-最適な変態「前」成長速度の検討-

研究課題

研究課題/領域番号 20580202
研究機関京都大学

研究代表者

田川 正朋  京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (20226947)

キーワードカレイ類 / 形態異常 / 甲状腺ホルモン / 種苗生産 / タイミング説 / 耳石標識 / 成長履歴 / 白化
研究概要

カレイ類では白化や両面有色と呼ばれる形態・色彩異常の個体が、種苗生産現場では多い時には80%以上も出現し、カレイ類の種苗生産を進める上での最大の障害となっている。本研究は、このような形態異常個体の出現を防除するために、形態異常の出現機構を変態生理にもとづいて明らかにするとともに、最適な成長速度を具体的に提案することを目的とする。
これまでに最も知見を蓄積してきたホシガレイを用いて、変態後の形態異常に決定力を持つのは、孵化後何日目の体長かを検討した。ALCにより変態前に耳石標識をおこない、通常の飼育を継続し、全個体が変態を完了して正常・白化・両面有色などの形態が決定した後に、全個体をサンプリングした。耳石の標識経から標識を行った日の体長を逆算すると、変態前のDステージにおいては、後に白化魚となった個体の体長は、正常魚や両面有色魚になった個体よりも有意に小さかった。すなわちDステージで成長の悪い個体が、変態時に白化している可能性が強く示唆される結果となった。
また、並行して細胞培養系を用いて甲状腺ホルモンの色素細胞に及ぼす作用を明らかにする計画を立てていた。しかし、今年度は研究室の移転などにより細胞培養実験がうまくできなかったため実質的な結果を得ることができなかった。来年度はこれまでにほぼ確立している培養系を用いて、各種色素細胞の発現へのホルモン関与を検討する。
一方、共同研究を行っている宮古栽培漁業センター清水氏に依頼し、過去のホシガレイの飼育経過と形態異常の出現率との関係を検討してもらった。しかし、成長と最終的な形態異常率には明確な関連は見られなかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Improper timing of thyroid hormone increase induces higher occurrences of malformed juveniles during the metamorphosis of three flatfishes : Proposal of 'timiner hypothesis' for malformation mechanism.2009

    • 著者名/発表者名
      TAGAWA Masatomo, Masato ARITAKI
    • 雑誌名

      Proceedings of the WFC 2008 (CD-ROM 20090129)

  • [学会発表] カレイ類の左右非対称性(表と裏)は甲状腺ホルモンの作用時期によって決定される2008

    • 著者名/発表者名
      田川正朋, 有瀧真人
    • 学会等名
      日本動物学会第79回大会
    • 発表場所
      福岡大学
    • 年月日
      2008-09-07
  • [図書] 稚魚 生残と変態の生理生態学2009

    • 著者名/発表者名
      田中克, 田川正朋, 中山耕至
    • 総ページ数
      387
    • 出版者
      京都大学学術出版会
  • [図書] 3-6. ヒラメの変態と眼の移動機構(P131-140)「稚魚学-多様な生理生態を探る」(田中克・田川正朋・中山耕至編)2008

    • 著者名/発表者名
      岡田のぞみ, 田川正朋
    • 総ページ数
      365
    • 出版者
      生物研究社
  • [図書] 3-7. 異体類の変態と体色異常(P141-153)「稚魚学-多様な生理生態を探る」(田中克・田川正朋・中山耕至編)2008

    • 著者名/発表者名
      青海忠久, 田川正朋
    • 総ページ数
      365
    • 出版者
      生物研究社

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi