研究概要 |
平成21年度では,各月原則として3日間,東海大学所属の北斗(20トン)を用い,駿河湾内の定点で魚類プランクトン調査を実施した.今年度からは,採集層を近底層のみとした.採集定点も従来実施してきた三保灯台沖から富士川河口へ移し,その陸棚斜面に水深が異なる4測線(350,500,700,および900m)を設け,層別の分布が把握できるようにした.ネットは口径1.3mのリングネットを引き続き使用たが,目合い0.53mmの網地の前に,2mm(長さ2m)と1mm(長さ1m)の網地を付け加え,ろ過効率を向上させた.ソコダラ科ムグラヒゲCoelorinchus kishinouyeiの仔稚魚は水深350mの測線のみで,セキトリイワシ科のナメライワシLeptoderma lubricumとヤセナメライワシLeptoderma retropinnumの仔稚魚は水深700m以深で採集された. ソコダラ科ムグラヒゲの卵発生と仔魚の形態発育についてはIchthyological Researchに投稿し,2009年12月にオンラインファーストにて公表された.また,ソコダラ科数種の形態発育ならびにセキトリイワシ科のナメライワシとヤセナメライワシに関する成果については,第8回インドパシフック魚類学会ならびに日本魚類学会年会にて,口頭あるいはポスター発表した.ナメライワシとヤセナメライワシについては,形態発育のほか消化管内容物を調べ,また同時に採集された成魚の成熟状況に関しても言及した.
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