研究課題
平成22年度は以下の実験を行い以下の成果を得た。1)組換え体ヒラメリポカリンの細菌に対する静菌活性とシデロフォア結合性の検討TBT-bp1組換え体(rTBT-bp1)を転移したバキュロウイルスプラスミドを作成し、カイコガに感染させ、その体液より大量に分取精製することに成功した。得られたrTBT-bp1を用いて、魚病細菌としてE.tardaの増殖に及ぼす影響を調べた結果、10%トリプトソイブイヨン区で吸光値がコントロールの68%と有意に低下しその増殖が阻害されていた。よってTBT-bp1が静菌活性を持つ可能性があることが示唆された。2)組換え体ヒラメリポカリンrTBT-bp1の結合性とその機能の検証カイコ血中にrTBT-bp2を発現させるため、ヒラメTBT-bp2のコンストラクトを転移したバキュロウィルスを作成し、カイコ5齢幼虫に感染させ、血液中に分泌されたrTBT-bp2を採取しアフィニティークロマトグラフィーとゲルろ過クロマトグラフィーにより精製した。得られたTBT-bp2(4μM in 50mMリン酸ナトリウム、300mM NaCl)にリポカリン蛍光プローブ(11-(5-(dimethylamino)-1-naphthalene-sulfonylamino) undecanoic acid (DAUDA))との結合を調べた。さらに、4μM TBT-bp2にDAUDA(3μM)を結合させた後、競合基質(500μM TBT、lauric acid、palmitic acid、stearic acid in ethanol)を終濃度3μMとなるまで滴下し、蛍光強度の変化を調べた。その結果DAUDAの濃度上昇とともに蛍光強度が増加した。よってrTBT-bp2にDAUDAが結合することが確認された。またDAUDAを結合させたrTBT-bp2にTBTを滴下した結果、蛍光強度が34%まで減少したことからTBTに対するrTBT-bp2の結合能が証明された。しかし同様に脂肪酸類を滴下したが、蛍光強度の減少は認められず、脂肪酸類はrTBT-bp2に対してDAUDAより結合性は弱いと考えられた。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)
Comparative Biology and Physiology part C
巻: 153 ページ: 17-23
Zoological Science
巻: 28(印刷中)
Marine Pollution Bulletin
巻: 62 ページ: 412-414
Aquatic Toxicology
巻: (印刷中)
http://bbs1.agr.kyushu-u.ac.jp/biosci-biotech/kankyo/publication.html