まず4月より、すでに取得している法規、文献の翻訳作業を行った。まずは「土地承包合同実務」(知識産権出版社)に関する翻訳、分析を必要部分において行い、研究の問題発見と調査項目を絞り込んだ。その上で、7〜8月に中国農村での調査を行った。山東省と湖南省の、村委員会、農民に対し、特に土地法規の運用に関する聞取り調査を行い、また、食品加工企業に対し商品作物の販売に関する法規の保護に関する聞取り調査を行う。中国人留学生(大学院生)2名、日本人大学院生を調査補助者として同行させ、現地での調査に従事させた。この調査は、今後に行われる本調査に対する予備調査の性格を持ち、問題点の発見に努めた。特に、農地流動化、安全性の確保、農協組織の形成に関して新しい動きがあることが確認された。帰国後に、同行した大学院生とともに、聞取り調査内容から、現場での問題点を探り出し、中国語によるレポートを作成して、現地協力機関へ送付している。また、次年度の本調査に向けての質問票のデザインをどうするのかの検討を続けた。
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