研究課題/領域番号 |
20580239
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
亀山 宏 香川大学, 農学部, 准教授 (70177608)
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研究分担者 |
伊東 正一 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30222425)
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キーワード | 持続的農業 / 土地利用 / Pyment for Eco-service / キャッサバ / 国際食料問題 / 窒素循環 / 世界の穀物生産量 / バイオ燃料 / 国際穀物価格 |
研究概要 |
1.国際食糧問題の観点から、近年、国際穀物価格が大幅に上昇し、2010年の国際価格のレベルは2000年代前半のレベルに比べ高く推移し、世界各地で農産物の生産拡大が刺激され増産が続いている。一過性的土地利用の「略奪農法」という懸念がある。ただ、農業開発による生産拡大は南米やアフリカ諸国に見られることから、こうした農地開発においては適切なる農業環境政策の設定などがすでに設定されている国々では環境基準ルールの遵守が重要な課題となることが指摘された。 2.北タイにおいて、地域の農業的土地利用(農作物の栽培面積)の情報をもとに、数理計画モデルを作成し、窒素循環、農薬の使用と関連づけて、持続的農業のモデルを構築のための基礎的なデータを収集した。 3.作物の栽培にとって、粗収益と生産費をめぐる市場条件の年次別変動から、当該地区の適地性について検討した。土地利用型で検討されることの少ないキャッサバを取り上げた。主要な産地の東北タイと北タイのなかでも地区による特性が示された。そこで北タイのKampaengpetch Provinceにキャッサバ農家を3件訪問した。主な品種はNong BamとKiowdokの2種類で、(1)1年栽培と2年栽培のもので野菜との混作、(2)低肥沃度の農地へは、稲の殻、有機ホルモン、廃糖蜜などを肥料として散布していた。 4.東南アジアに農業環境政策の理論的基礎とともにPES(環境・生態系サービスへの支払い)の有効性について実践の事例を述べた。 5.フィリピンにおいて、マニラ湾に流入する水系の周辺における畜産物生産と農業的土地利用の変化に伴い、硝酸態窒素由来の水質汚染の実態についての文献収集を行い、この流域での基礎調査を実施した。
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