研究概要 |
本年度に得られた主な研究成果は以下の通りである。 1、濃産物マーケティングにおける,顧客インターフェイス管理の重要性を,チャネル論や消費者行動論といった理論面,および実態面の双方から明らかにし,本研究が持つ社会的意義を明確にした。 2、研究対象である顧客インターフェイスに対する消費者評価を明らかにした。具体的には,非店舗タイブの顧客インターフェイスのひとつで,近年売上が急速に拡大している生協宅配事業のカタログを対象とし,「アイカメラ+プロトコル分析」などにより調査を行った。 得られた主な結果は以下の通りである。 (1)ブロック別注視率では,カタログページ「上部」における比率が高い。 (2)カタログページ中の「写真情報」への注視率が高い。 (3)カタログページ中の産地情報に関する注視率は,高くない。 (4)(3)については,被験者(消費者)の生協に対する“ブランドロイヤルティ"の高さが影響しているものと考えられる。 3、さらに補足調査として,生協カタログとの比較として,飲食店のメニューボードを対象とした調査を行った。具体的には,メニューボードの「印象」「見易さ」,さらには「(農産物の)原産地情報」への注視状況,といった視点から評価を行った。また,近年増えつつある地方公共団体による農産物マーケティングへの関与について,その現状と課題について整理した。これら2つの補足調査については,いずれも最終年度の「取りまとめ」の際に活用する予定である。 4、上記1〜3は,いずれも農産物マーケティング研究分野における新たな試みである。
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