研究概要 |
本年度は研究期間の初年度として,アメリカにおける酪農経営の規模拡大についての既存研究,統計整理をおこなった.次に,アメリカでの経営調査をより明確に分析するため,アメリカの中小規模経営と近い規模を持つ北海道別海町における酪農経営を調査し,その技術体系を確認した. その結果,当初計画では本年度はカリフォルニア州における調査が予定されていたが,次年度に計画されていたウィスコンシン州における調査を先におこなうこととし,実施した.ウィスコンシン州では,より北海道と近い条件で酪農がおこなわれているため,まず,メガファームより一段階前でのアメリカ酪農の特徴が明確になった. ウィスコンシン州調査では,酪農協同組合,慣行および有機での中〜大規模酪農場8農場,ウィスコンシン大学のエクステンションおよび協同組合センター,ウィスコンシン州Ag-Source(旧DHI)を訪問した.酪農協同組合では,現在の乳業界再編の動向,組合員への技術指導を中心に聞き取り調査をおこなった.8場の酪農場調査ではそれぞれの農場での技術体系を確認し,その導入時期および契機,経営における課題を中心にヒアリングをおこなった.特に飼料作部門と酪農部門のバランスにおいて特徴があることが明らかになった.また,ウィスコンシン大学およびウィスコンシン州DHIでは,これまで日本で紹介されてこなかったアメリカのDHI(Dairy Herd Improvement)の仕組みについてヒアリング,資料収集ができた.
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