本研究では、わが国における生鮮果実・果実加工品の海外販路を拡大させることを目標とし、果実・果樹産業の生産・流通・消費・輸出の4つを柱として研究を進めた。そして、海外でのアンケートを中心としたフィールド・リサーチ、海外の統計データを使用した計量的・実証的分析によって、今後における生鮮果実の海外販路拡大の方向性を検討した。本研究では生鮮果実と果実加工品の輸出を対象としているが、平成21年度は、生鮮果実を中心とし、具体的な果実は、リンゴ・イチゴ等の競争力かつ品質の高い輸出事例とした研究を行った。そして、生鮮果実の海外販路拡大に関する研究は、I. 実際に輸出が開始されている果実の輸出拡大(果実輸出拡大)と、II. 今後輸出を開始する果実の輸出可能性(果実輸出可能性)の2つにわけて考察した。I に関しては『栃木産とちおとめの香港輸出と消費者意識-香港一田YATAにおけるアンケート調査から-』(雑誌論文参照)、II に関しては『日本農産物の行方-香港:とちおとめは清仔(チンジャイ)になれるか-』(図書参照)等によって、研究を公開した。また、平成21年度のスウェーデン、ドイツ、フィンランドでのリンゴの輸出調査については、現在も研究を継続しており、平成22年度に公開する予定である。
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