平成21年度の研究では、下記のことを明らかにした。 現地カリフォルニアでは、1920年代末から30年代にかけての資料が極めて少ないが、その中で、平成21年度の本研究では、北カリフォルニア各郡の20世紀初頭の土地所有者表を発見している。各郡登記事務所にある「Plat」がそれであり、従来の移民研究では未発見の資料である。 (2)日本の移民送り出し地でも、アメリカへの移民の公的な資料収集は少ないが、アメリカ移民の個人資料をヒアリングにより蒐集した。 (3)上のヒアリングにより、1920年代までのカリフォルニア稲作に関与した日本人移民の出国および帰国動向、稲作後の動向などを何人かについて明らかにした。 (4)日本人移民がビジネス・パートナーによる稲作経営に転化後、第一次世界大戦後の戦後恐慌、30年代の大恐慌を乗り切れた経営の特徴を調査できた。 (5)カリフォルニア稲作に関与した日本人移民の学歴は多様である。また母国における稲作経験の有無も多様であることが再確認できた。 (6)稲作資金借り入れは当初は個人からだったが会社や銀行からの借り入れに転化した時期と内容を明らかしえた。 (7)
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