「研究の目的」として以下のような点を申請書には記している。 ・NAFTAの経済統合の実態について養豚産業における統合の実態とその促進要因について検証する。 ・飼料の需給動向と養豚、穀物生産との関係について検証する。 「研究実施計画」 上記の「研究目的」を達成するために、アメリカでの現地調査を実施し、関係各所での聞き取り調査と関係する統計・データの収集をおこなう。 以上の二つの点については、アメリカでの現地調査において、関係者からのヒアリングや収集した統計・データから一定の成果を得ることができた。特に、アメリカとカナダ両国にまたがる統合化の現状については、関係者からの聞き取りによってその実態を認識することができた。ただし、この点については、アメリカとカナダとの間で原産地表示問題が重要な問題として浮上しており、この問題が今後統合化に何らかの影響を及ぼすことが予想される。それだけに、今後とも原産地表示問題のフォローと養豚業者の対応を注視する必要があり、引き続き関係者からの情報の入手を図る予定である。 また、飼料・養豚との相互関係性について検証できたので、さらに調査を進めながら学術雑誌への投稿の準備をしている。具体的には、養豚の統合化と並行してアメリカからカナダへの飼料用穀物の輸出が増え、従来の主要穀物原料である大麦に一部代替しつつあるという傾向である。この点については、さらに深く掘り下げるために直近のデータの入手と関係者からの聞き取りを引き続き実施する予定である。
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