「ハモ料理」の食材ハモは国内産だけでは需要に応えられず韓国や中国からの輸入ハモに依存している部分がある。ハモの需要が国際的に増大し今後需給が逼迫すると考えられることから、国内外のハモの生産・流通・消費の状況を把握し検証する必要がある。そこで本年度は、韓国では9月上旬に全羅南道と慶尚南道で、国内では12月下旬に徳島県・兵庫県・京都府で、ハモの産地調査を行った。 韓国全羅南道の麗水市と高興郡では初めての調査であったが、全南大学校水産海洋大学の協力支援により現地漁業関係者や流通・輸出業者に聴き取り調査を行うことができ、ハモの生産・流通・消費に関する貴重な情報やデータを入手することができた。また慶尚南道の固城郡や釜山市では2003年に行った調査と比較するために二度目の調査を行ったが、過去の調査の際と同じ流通業者や輸出関係者に再度聴き取り調査をすることができ、その後の変化などを詳しく把握することができた。そしてこれらの調査結果を地域漁業学会第51回大会で研究報告した。 国内調査では、最大のハモ産地徳島市漁協や、歴史的に著名なハモ産地である淡路島の沼島漁協と宮津市の栗田漁協で、現地の生産者に聴き取り調査を行い、ハモの生産・出荷に関する情報とデータを入手することができた。これらの調査結果は次年度の漁業経済学会又は地域漁業学会の大会で報告予定である。 以上の調査研究により、韓国におけるハモの生産・流通・消費の現状と歴史的経緯、地域による違い、過去との変化、日本への輸出の状況を把握することができた。また、国内産地では、地域による生産・出荷状況の違い、出荷価格に対する韓国産輸入ハモの影響を把握することができた。
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