研究課題
LCA(ライフサイクルアセスメント)を持続可能性の評価手法として発展させるため、社会的側面を考慮した影響評価手法ならびに統合的評価手法に関する研究を主として実施した。具体的には以下の通りである。1、LCI(ライフサイクルインベントリ)データベースの精錬化と拡張環境保全型等の農業生産システムとバイオマス利用システムを対象とし、データベースの精度を向上させるとともに、肥料・農薬等の背景プロセスを拡充した。これによって、より詳細なLCAが実施可能となった。2.社会的側面の評価水稲作地帯を事例にとり、社会的側面から有機農業を適切に評価する指標を探索するため、社会影響評価指標に対する農家の反応を検討した。これにより有機農業を実践している農家の特徴が解明され、持続可能性を数量的に把握する際の基礎的知見が得られた。3.環境・経済・社会に関する統合的評価持続可能性に関する評価指標の軸(経済、環境、社会)に加え、戦略の軸を加えた新たな概念モデルを提示した。これにより、例えば、複数の農村活性化プロジェクトについて、それらの相対的パフォーマンスを比較するだけでなく、特定の評価結果をもたらしたメカニズムが考察できるようになった。4.持続可能な農業システムの設計以上を踏まえ、持続可能な農業生産システムやバイオマス利用システムがどのように設計できるかを検討した。土地利用の影響評価の重要性、意思決定の結果を明示的に考慮したモデリングの必要性等が示された。
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