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2010 年度 実績報告書

軟弱地盤上構造物の長期残留沈下に対する維持管理を対象とした信頼性設計

研究課題

研究課題/領域番号 20580264
研究機関岡山大学

研究代表者

西村 伸一  岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (30198501)

研究分担者 村山 八州雄  岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (20346414)
村上 章  京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80157742)
キーワード連結型圧密試験装置 / 軟弱地盤 / 長期残留沈下 / 圧密 / 変位予測 / 超過確率 / ライフサイクルコスト / 現場計測
研究概要

本研究は,軟弱地盤上に施工された農業土木構造物(干拓堤防など)の維持管理を目的とした最適設計に関するものである.軟弱地盤上の構造物は,改修等で載荷が生じた場合,長期の圧密沈下を起こすことが予想される.ここでは,長期残留沈下予測を適切に行う簡便な手法を開発しようとし,これに基づいて,供用期間内のライフサイクルコスト最小化に基づく最適設計問題を信頼性設計理論の立場から議論しようとするものである.
今年度は,以下の項目について検討を行って成果を得た.
(1)圧密試験およびモデル化
第一に,試作した連結型圧密試験機を用い,長期残留沈下特性(二次圧密特性)を明らかにした、さらに,これらの挙動を満足するモデル化を行った.留意点は,モデル化の目標を長期変位予測対応に特化することで,モデルを簡略化し,パラメータ数を減らしなことである.一般に,現地では,変位と間隙水圧が計測されるので,モデルパラメータは,これらの計測値から同定可能となるように配慮した.
(2)解析コードを用いた長期残留変位予測
開発した解析コードを用い,実施した定圧試験結果に対して,比較的早期の観測結果から長期の二次圧密を予測し,予測精度について検討した.
(3)許容残留沈下量の超過確率の算定
一般に,変位予測値は不確定性を含むため,確定値としては得られない.このために,予測結果は,許容残留沈下量の超過確率という形で得られることになる.ここでは,変位予測値の不確定性を仮定し,モンテカルロ法を実施して確率の算定を行う解析コードの開発を行った.
(4)ライフサイクルコストの算定と最適維持管理と改修方法の決定
(3)の解析コードを用い,残留沈下が許容値越えた場合を想定したシナリオ解析を行い,盛土構造物の損失費用を推定した.同時に,損失を防ぐための維持管理法も検討した.これらの費用からライフサイクルコスト求め,これを最小化する改良工法を検討した.

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (8件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 地盤解析におけるデータ同化2011

    • 著者名/発表者名
      珠玖隆行・村上章・藤沢和謙・西村伸一
    • 雑誌名

      地盤工学会誌

      巻: 59 ページ: 8-11

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 河川堤防の安全性評価に向けた強度分布の推定方法2010

    • 著者名/発表者名
      西村伸一, 他
    • 雑誌名

      地盤と建設

      巻: 28 ページ: 39-45

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reliability-based design of earth-fill dams based on the spatial distribution of strength parameters2010

    • 著者名/発表者名
      Nishimura, S., Fujisawa, K., Murakami, A.
    • 雑誌名

      Georisk

      巻: 4 ページ: 140-147

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 粒子フィルタによる神戸空港島沈下挙動のデータ同化2010

    • 著者名/発表者名
      珠玖隆行・村上章・西村伸一・藤沢和謙・中村和幸
    • 雑誌名

      応用力学論文

      巻: 13 ページ: 67-77

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 地盤構造物の設計コードと信頼性設計法 3.地盤データのばらつきと特性値・設計値の決定2010

    • 著者名/発表者名
      西村伸一・渡部要一
    • 雑誌名

      地盤工学会誌

      巻: 58 ページ: 54-61

  • [学会発表] 土構造物の長期沈下に関わる信頼性設計2010

    • 著者名/発表者名
      西村友希・西村伸一・藤澤和謙・珠玖隆行
    • 学会等名
      第65回農業農村工学会中国四国支部講演会
    • 発表場所
      山口市
    • 年月日
      2010-10-27
  • [学会発表] 粒子フィルタによる盛土の劣化箇所の同定2010

    • 著者名/発表者名
      亀谷聡・西村伸一
    • 学会等名
      第65回農業農村工学会中国四国支部講演会
    • 発表場所
      山口市
    • 年月日
      2010-10-27
  • [学会発表] 粒子フィルタによる実地盤挙動のデータ同化2010

    • 著者名/発表者名
      村上章・片岡資晴・珠玖隆行・西村伸一・藤澤和謙・中村和幸
    • 学会等名
      平成22年度農業農村工学会大会講演会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2010-08-31
  • [学会発表] 堤体物性値の不確定性を考慮した洪水解析2010

    • 著者名/発表者名
      西村伸一・近藤祐介・藤澤和謙
    • 学会等名
      平成22年度農業農村工学会大会講演会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2010-08-31
  • [学会発表] インディケータシミュレーションによる表面波探査とサウンディング試験結果に基づくN値の合成2010

    • 著者名/発表者名
      高山裕太・西村伸一・鈴木誠・村上章・藤澤和謙
    • 学会等名
      第45回地盤工学研究発表会in松山
    • 発表場所
      松山市
    • 年月日
      2010-08-20
  • [学会発表] フィルタ特性が地盤挙動のデータ同化結果に及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      珠玖隆行・村上章・西村伸一・藤澤和謙・中村和幸
    • 学会等名
      第45回地盤工学研究発表会in松山
    • 発表場所
      松山市
    • 年月日
      2010-08-19
  • [学会発表] 粒子フィルタを用いた地盤挙動観測値のデータ同化2010

    • 著者名/発表者名
      片岡資晴・村上章・珠玖隆行・西村伸一・藤澤和謙・中村和幸
    • 学会等名
      第45回地盤工学研究発表会in松山
    • 発表場所
      松山市
    • 年月日
      2010-08-19
  • [学会発表] 二次元圧密模型実験とモデルパラメータの同定2010

    • 著者名/発表者名
      西村伸一・土居慶彦・藤澤和謙
    • 学会等名
      第45回地盤工学研究発表会in松山
    • 発表場所
      松山市
    • 年月日
      2010-08-18
  • [図書] 農業農村工学ハンドブック2010

    • 著者名/発表者名
      西村伸一, 他(分担執筆)
    • 総ページ数
      794
    • 出版者
      農業農村工学会

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公開日: 2012-07-19  

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